LPO対策を考えてサイトを作る

ランディングページ、というものがあります。他ページへのリンクを排除し、1ページで商品の購入や、問い合わせ、ダウンロードといった行動を起こす、すなわちコンバージョンに導くページです。Webサーフィンをする方なら、たまに、商品ないしサービスのプレゼンをしつつ、他のコンテンツにリンクがあまり張られていない、縦長で、最後や途中に「無料登録」や「お試しでサービスを使う」ですとか、「購入」、「資料請求」といったボタンのあるページを見たことがあるでしょう。割と特殊な構成になっているので、印象にも残りやすいと思います。あんなイメージのページです。目的は、その構成から分かるように、コンテンツを見せて読ませつつ、コンバージョンを導くということにあります。広告的な目的もあるでしょうが、結局のところは、そうなります。

さて、このランディングページを、コンバージョン率に特化したページへと最適化するのが、LPO対策です。
LPO対策では、さまざまな事が行われます。他のページに移動されぬよう、リンクを極力排除する。タイトルをターゲットにあわせたものにする。さらに、情報をみやすく示して、読んでコンバージョンに移るという流れを作り出せるようにする。時には特殊なページ構成であっても(リンクがないような、他のサイトとは違う構成であるということだけで人は不安になりえます)、そのコンテンツからコンバージョンにいたる程度には信頼してもらうための情報も入れる。そういったことをこなしていって、目標であるコンバージョンに辿り着かせることを特化したサイトを作成する。これが、LPO対策です。

そして、こういった特殊な最適化であるLPO対策や、構成がランディングページにはいります。ですので、外注する場合は、ホームページ制作会社の選び方もそれを考慮したものになります。つまり、ランディングページ作成において、どれだけ実績を積んでいるか、どれだけそれに特化したデザインをもったサイトを作ることができるのか、ということを調べた上で、選ぶほうがよいといえます。なにせ、様々な点で通常のWebサイトを作るときの構成・デザインとは違ってきてしまうのですから、ランディングページ以外の実績があったとしても、いざどれだけ作れるかはまた少し違ってくるはずなのです。
逆に、LPO対策をウリにしているサービス・企業もあります。実績が確かで良いものであれば、そういった業者を選んでみるのも良いでしょう。何せ基本的に1ページのものですから、デザイン案が出てくるのも、Webサイトよりは速めで、コストも比較的少なめになる可能性がとても高いです。

また、こういったサイトを自社で作る場合、それに合ったツールもまた別の種類のものとなるでしょう。なにせ、1ページに様々な情報を詰め込む上に、それを読ませてコンバージョンに導くのが目的なのですから。そのために、使うツールの選定も重要になります。また、1ページで一気にコンテンツを読ませるので、デザインの見栄えもよりコンバージョンに響くでしょうから、よりA/Bテスト(Aのデザインがいいか、Bのデザインがいいかをテストすること)も重要になりますので、そう言ったツールを使うことも考えておくといいでしょう。ですのでランディングページを作るときは、LPO対策を行う、といったことを念頭において、作成ツールや、A/Bテストのツールを探す必要があるでしょう。
幸い、最近はLPO対策の需要にこたえたツールが何種類も登場し、使われているようですし、その特徴を紹介しているサイトもあるでしょうから、それを利用して選んでいけばいいと思います。何故そんなサイトがあるかというと、LPO対策はランディングページの最適化ということで、どうすればいいのか、といったことがあまり知られていないのですが、ランディングページというのはそれなりに作られているようですから、その分、それに接して調べる人がいます。つまり、そういったLPO対策についての情報への需要にこたえて、LPO対策についての情報の供給が存在するのです。こういった情報の供給ページはコンテンツマーケティング的な側面も含んでいるため、完全に信用しきっていいとまでは言えませんが、それなりに調べられて書いてありますので、それを参考にするのもあり、というわけなのです。

さてこのLPO対策をしたページの特徴としては、情報が整理されているのは勿論、分かりやすく読ませるために画像が多く、リンクが排除されていることがあります。画像が多い理由は簡単で、グラフであるとか、漫画で説明するなどして、視覚的に見せたほうが分かりやすい場合があるからです。特に現実に実体のある商品紹介では、どのような形状であるか伝えるために、様々な写真を載せることでしょう。さらに、コンバージョン一極に向かわせるために、それ以外の方向に向かうリンクは排除されるはずです。情報が整理されていることはともかく、画像が多いこと、リンクが排除されているというこの性質は、少々検索エンジンにヒットさせるには不利であることが多いです。では、どこから人がアクセスしてくることが想定され、実際にアクセスすることになるかというと、そのページとは別の、広告や、関連したWebサイトのプロモーションなど、他のそのランディングページに関係するページからのリンクが殆どなのです。特には広告からのリンクも多いことでしょう。というよりも、ランディングページを作る理由が、この広告から飛ばすのに適当であるから、という場合だってあります。

そもそも、ランディングページの主な用途は、リスティング広告やポータルページのプロモーションなどからの遷移先なのです。商品やサービスなどを宣伝する広告や、ポータルサイトのプロモーションを押してページを遷移してくるユーザというのは、特定の層であることが多くなります。つまりは、複雑なWebサイトをその広告を押して遷移してくるユーザのために最適化して提供するよりは、1ページに情報を凝縮して伝えてしまったほうが、費用的にもよいであろう、というわけですね。
コンテンツマーケティングは広告をあまり利用しないユーザに検索されやすいコンテンツから自然に引き込むやりかたですが、ランディングページは広告を利用するユーザをコンバージョンに導く印象でしょうか。

なお、ランディングページは画像が多く、リンクが排除されているというその性質上、SEO対策には向いていませんが、だからといってSEO対策の必要が無いというわけではありません。別のキャンペーンに注力するなどして、広告からのジャンプが見込めなくなったりすると、ランディングページへの流入は減ります。その時に役立つのが検索エンジンからの流入です。検索エンジンからの流入者に情報を与え、時にコンバージョンに導くことで、作成したランディングページという資産を継続して有効活用することができます。ですから、LPO対策に影響のない程度に、見出しにキーワードを入れたり、検索エンジンに解釈されやすくしたりと、適切なSEO対策をして、検索からの継続したアクセスを確保しておくのは重要なことなのです。